この辺りをもっとよく調べてみましょうか。何か見落としてたら悔しいものね。 ……。 大丈夫。私はもう、やっていける。そうだよね? ――兄さん。 ……若留ちゃん。須佐見君のことも心配だけど、若留ちゃん達も自分のことを大切に。二人とも、仲良くね。 ……ありがとう。私はもう、ちゃんと自分の足で前へと進んで行けている。それも若留ちゃんのおかげよ。 ええ。しかも来て早々にこんな事件に巻き込まれるなんて……私もつくづく運のない女よね。 役に立てなくてごめんなさいね。 ごめんなさい、私も会ったことないわね。今のところ学園には子供を捜してる人の話も聞かないし……。ご両親もここにはいないのかも。 なるほど、ここに新しく来た子なのね。誰か、ユリカちゃんのことを知ってる人はいない? それで、今日はどうしたのかしら? 私、子供の扱いは得意なのよ。知ってるでしょ? ほら、ちゃんと言うこと聞かないとだめでしょ。 あら、相変わらず子供達に人気ね。 ……だめね。押しても開く気配はないわ。 この扉のレリーフと文字の壁にあった青く光っていた文字は……\r\n『レリーフ』\r\n    ←     ←\r\nREDNUM REVOL\r\n『文字の壁』\r\nHUMANISM\r\nELDWORLD\r\nおそらく暗号なのだと思うけれど……。 頑張ってね、若留ちゃん――。 残念ながら、私の物語は、ここまで。ここで終わり。これから彼らになにが待ち受けているのか、なにが起ころうとしているのか。それはわからない。とてつもなく、大きな流れに呑まれていっている気もする。ここを去らねばならない私には、協力してあげることは出来ない。けれど――。 まあ、そうでしょうね。でも、これだけは言っておくわ。すぐ側にある大切な物のことが見えなくならないようにね。 あなたは、いったい……。 そこまで、というと……? 立ち聞きなんて、趣味が良いとは言えないわね。 ところで、聞いているんでしょう? ――須佐見君。 兄さんはいつだって、私の幸せが、自分の幸せだと言っていた。だから、私は幸せにならなければいけない。ここに眠っているのは兄さんでもあり、私でもあるのだ。だけど、その前に――。 別れのあいさつは、しないわ。私の最後のいたずらよ。 ――兄さん。 過去を振り返ってばかりじゃ。過去に囚われてばかりじゃ、前には進めない。だから――。 ……ふふふ。そうよね。 わ、私は……私……は。 やっぱり……あなたが《回答者》だったのね。 あなたは、いったい何者なの……? あれ――? でも――。 若留ちゃん――。 あの頃はここももっと綺麗で、温かかった……悲しいことね……。 これは……。 …………。私は――。 ……やっぱり。 それで、なにかわかったことはあったの? あらあら、からかいすぎちゃったかしら? 私は真実を見つける。――兄さんを殺した犯人だけは、絶対に私が突き止めてみせるわ。 私、がんばってるよ。ねえ――。――マモル兄さん。 あれから10年、か……。 戸締まりはしっかりしないとね……。 それにしても――。 あの子は……。 あら? ふん……。 失礼しました。 あの子、なんだかとっても楽しそうだったわね。 いつもご苦労様。 あら。ふふ……。それじゃあ。 ふぅ……。 どうし、て……。 え? あれは事故なんかじゃなかった。ましてや、クロエおばさんのせいでもない。私は……真実を見つけるわ。邪魔をするなら、彦道君でも許さない。 ――違う。 それはどういう――。 そう……なにを言っているか、わかった? ええ、それで。なんだったかしら? そらそらおどれ、てんみておどれ、おどりつかれて、おうまがとき……。 ふふ。 うん? 出て行け――。 いったい、誰が……? よいしょ、と。 あら……? ……相変わらずなにを言っているのか、わからないわ。 ――また、、あなたなのね。あなたが《回答者》なのかしら。 そろそろまずい、かしらね……でも、もう時間がない……。 ……これも違う。 はぁ……。 これは……? ふふっ、大掛かりな仕掛けだったわね。まるで探検家にでもなった気分。……さて、奥へ進みましょうか。 暗号から得た『U・D・S・D』はつまり……『Up・Down・Standard・Down』ということだったのね。上下中下、この配置にレバーを揃えればいいはずよ。 暗号を解いた結果『U・D・S・D』という答えを得られたけれど……ここで活きてくるのがレリーフの+Standardというわけね。+はプラスじゃなくて、十字形。つまり中央配置。Standard=中央配置、つまりS=中央配置ということね。ここまで解れば、あとは解けたも同然ね。 つまりは……\r\nHUMANISM\r\nELDWORLD\r\n\r\nUNDER『M』 OVER『L』\r\nMの上とLの下だけ読むと、左から順に『U・D・S・D』。おろらくこれがレバーの配置になっているはず……。 文字の壁に浮かんだ青文字は……\r\n『HUMANISM\r\n ELDWORLD』\r\nこれにさっき解いた暗号を組み合わせると……\r\nHUMANISM\r\nELDWORLD\r\n\r\nUNDER『M』 OVER『L』\r\nこれを読み解けば……。 そういうことだったのね……!\r\n    ←     ←\r\nREDNUM REVOL\r\n矢印が浮き上がった位置から逆に読むとUNDERとOVER。これにMとLを足すと、UNDER『M』、OVER『L』。つまりは『M』の下と『L』の上。そういう暗号だったわけね。となると、次は文字の壁に浮かんだ青文字。いまの暗号を使うと予想するけれど……。 とりあえず、ひとつひとつ読み解いていきましょうか。まずは扉のレリーフに浮かんだ青い文字についてね。\r\n    ←     ←\r\nREDNUM REVOL\r\n矢印が浮き上がった位置、これが気になっているのよね。そこから逆に読んでみたらどうなのかしら? このゼンマイがレバーの鍵になっていたわけね。 どうやらこのレバーは、上中下の3段階に動かせるようね。 このレバーの配置は、おそらく扉に付いたレリーフが暗号のはず。『REDNUM REVOL+Standard』。さらに部屋を暗闇にした際に浮き上がった文字たち……\r\n    ←     ←\r\nREDNUM REVOL\r\n\r\nHUMANISM\r\nELDWORLD\r\nこれが示すのは一体……? ロックが外れるような音がしたわね。私の予想が正しければ……これでレバーが動かせるようになっているんじゃないかしら? このゼンマイ、ここに挿し込めそうな気がするわ。 このゼンマイ……レバーのところの穴に挿し込めそうじゃないかしら? 扉についたレバーを調べてみましょうか。 壁の赤文字が床の仕掛けの赤文字と関係していた……となれば、扉のレリーフの青文字と壁の青文字も関係しているはずよ。そして扉に付いたレバーの仕掛け……レバーは青文字の暗号で解ける、そう考えて間違いなさそうね。 『HUMANISM ELDWORLD』。青く光る文字……きっと何かと関係がある暗号だと思うのだけど。 青い文字……! 『HUMANISM ELDWORLD』。光ってる部分だけを読むと……『人間主義な旧世界』? 思想批判か何かかしら? 意味がわからないわ。 REDNUMとREVOL、それと矢印……ここだけ青く光っているのには、なにか意味がありそうね。 あら? REDNUMとREVOLの文字が青く光ってる……蛍石かなにかで出来ているのかしら? それにUとOの上に浮き出た青い矢印……これは一体……? 暗くてよく見えないわ。天秤を戻せば灯りが点きそうだけど。 灯りが消えたわね。気になる箇所を調べましょうか。 これを引っ掛けて灯りを消しましょう。 また消したくなったら、引っ掛ければいいわ。 この像を外せば灯りが点くはずよね。 部屋を暗くした時に、青く光っている文字があったわ。何かの手掛かりかもしれない。よく調べてみましょうか。 ……!? 灯りが消えてしまった……の? これなら引っ掛けることができそうね。果たして釣り合うかしら……? 悪魔の錘を、天使の反対側につけたら何か起こりそうじゃない? どこかに吊るせないかしら? この組み合わせなら……。 悪魔の像をフックと取り付けられないかしら? 拾った悪魔の像……天秤のところの天使の像によく似ているわね。もう一度、天秤を調べに行ってみましょう。 ゼンマイだと思われるわ。丸い挿し込み部分があるわね。 S字型のフックね。何かを吊るすには有用そうね。 ゼンマイとは、また旧時代的なものが手に入ったわね。丸い挿し込み口、……どこかに使えるかしら? これは……? 中には何が入っているのかしら? なるほど。謎を解くとロックが外れるわけね。 赤い文字か。文字の壁にあった赤文字の暗号と、何か関係がありそうだわ。英単語と数字の法則、これをハッキリとさせるべきね。 なるほどね。ようやく見えたわ、このギミックの本質が。ELEMENTになくて、BORDERに多いもの。それは文字に隠された囲まれた空間。これの数だったのね。例えばOだったら1つ。Bだったら2つ。数えていくと……。確かにその通りになっているのね。あとはこれを、目の前の赤い文字に対応させていけば……。 壁にあった赤い文字は……\r\nAIR=2 POP=3\r\nELEMENT=0\r\nBORDER=6 LOVE=1\r\nAir=1\r\nBERSERK=4\r\nBerserk=4\r\n並べてみると、BやOやRが入っていると、数字が大きいわ。これらに共通することは……? 壁にあった赤い文字は……\r\nAIR=2 POP=3\r\nELEMENT=0\r\nBORDER=6 LOVE=1\r\nAir=1\r\nBERSERK=4\r\nBerserk=4\r\n特に気になるのは、AIRとAir、BERSERKとBerserkね。同じ単語なのに、表す数字が異なったり同じだったり……。ということは、英文字自体の形が数字と関係しているのかしら? 壁にあった赤い文字は……\r\nAIR=2 POP=3\r\nELEMENT=0\r\nBORDER=6 LOVE=1\r\nAir=1\r\nBERSERK=4\r\nBerserk=4\r\nだったわね。赤文字と数字という組み合わせからすると、この仕掛けと関係あるはず。おそらく何か共通点が隠れているはずなのだけど……。 赤文字があった文字壁と床の仕掛け、この2つは関係しているはず。壁の赤文字の暗号をヒントにしたら、床の仕掛けを解けるかもしれないわ。もう一度、床の仕掛けを調べてみましょう。 赤い文字になっているのは……AIR=2、POP=3、ELEMENT=0、BORDER=6、LOVE=1、Air=1、BERSERK=4、Berserk=4、ね。気になるのはAIRとAirで数字が違うところ、とかかしら。おそらくは何か法則があるのでしょうけど……。 AIR=2、POP=3、ELEMENT=0……? しかもわざわざ赤い文字にして……つまりは暗号、ということかしら。文字数を表しているわけではないし、単純な思考では読み解けなさそうね。 これを足場にして、上の方を見てみましょうか。 この辺りに調べ残しはなさそうね。他の場所を調べましょうか。 き、急に壁が動いたからおしそうになってしまったわ。とにかく、これで新たなピースが手に入った、というわけね。 ……これはいかにも、な感じね。罠にも思えるけど、今更尻込みしてもしかたがないわ。思い切りよく、やってしまいましょうか。 S字型のフック……かしらね。何かの約に立てばいいのだけど。 ここに付いているのは何かしら? あら? 灯りを調べに来たつもりが、気になるものを発見しちゃったわね。 丁度よく、3つセットできたわね。これなら登れそうだし、灯りを調べてみようかしら。 これを埋め込めば、足場代わりにならないかしら? この数字のレリーフ……、スイッチになっているのね。おそらくはナンバーロックになっている、と予想するけれど。 HOPE という赤い文字が彫られているわ。 ALIVE という赤い文字が彫られているわ。 DARKNESS という赤い文字が彫られているわ。 FORBID という赤い文字が彫られているわ。 このでっぱりで、石板を外せないようにしてるみたいね。 無理矢理に石板を外すことはできないわね。 仕掛けを解くために必要なピースが足りていない気がするわ。他で情報を集めてからにしましょうか。 英文……、それに3つ並んだ数字? 謎が謎を呼んでいるわね。 この床にあるのは……? 文字の壁に、穴が空いていたけど、何かを挿し込めないかしら? 『REDNUM REVOL+Standard』……? REDNUMやREVOLなんて単語ないし、どういう意味かしら? 今のままじゃレバーを動かせそうにないわ。 ……ッ、駄目ね。びくともしないわ。動かせそうな雰囲気はあるのだけど。 4本、レバーが付いているわ。この扉についていることからして、おそらく開けるためのものなんでしょうけど……。 これはなにかしら? 円形の穴があいているけれど。何かの挿し込み口、なのかしらね。 あら? 瓦礫の側に落ちているのは……。 この瓦礫、壁が崩れかけているのかしら。 あら、こんなところに……。この扉を開けるためのものかしら? この扉……どうやったら開くのかしら? 像だけじゃ天秤に掛けられないわ。引っ掛ける部分をどうにかしないと。 こちら側に何かを付けてあげれば、天秤の傾きを変えられそうね。 天秤を釣り合わせるのは難しいのよね。 天秤の柱は完全に埋め込まれているのね。 天秤を調べてみましょうか。 崩れた壁の一部みたいね。これは全体が崩れでもしたら大変ね。 コの字型杭ね。これを挿しこめば、繋ぎ止めることや足場にすることができそうね。 コの字型の鉄杭、ね。何かに使えないかしらね。 この天使の像は、館のホールにあるものと同じもの……? ここが作られたのが先、ということなのかしら。 天使の像が掛けられているわ。天秤と一体化していて外せはしないのね。 ここに使えるものが別の場所にあるかもしれないわ。 天秤、のように見えるけど。少し詳しく調べてみましょうか。 これは一体なにかしら……? 文字の壁を見てみましょうか。 灯りが灯っているわ。 この部屋の灯りはこれだけなのね。……というより、ここには電気が通っているということ? 扉の先には一体何があるのかしら? 書いてある文字は……さすがに細かく調べる気になれないわね。まぁ、ざっと見た感じでは、特に意味のある言葉もなさそうね。 数ヶ所だけ文字がなくて、横穴が開いているのね。なにか埋め込むことができそうかしら。 こっちの壁には文字はないのね。 壁に文字が彫られてる……というより埋め込まれてるのかしら。誰が何の意図で……。 これは……? 地下になぜこんな場所が……それに崩れそう。これは危険ね。 悪魔の像ね。頭部の後ろに、引っ掛ける部分があるわ。 禍々しい造形の像ね。悪魔の像、とでも呼ぶべきかしら。 この像は……? 後ろにある扉は開きそうにない、と。この正面の大扉を開けない限り、私に希望はないってわけね……。まぁここで朽ち果てるというのも悪くないけど、ただ待つのも癪だわ。少しは抗ってみようかしら? この場所は一体……? あの花と同じ匂い……? うっ……。ここ、は……。 きゃっ……!? はあっ、はぁっ……。 えっ? あなたは、どこから来たの? あなたは、なに? な、なに……? わた、し……? 大丈夫。私はもう、やっていける。そうだよね? 本当に、面白い子たち――。 ……ふふふ。 …………。 点灯させられたようね。他も解きましょう。 ええ、あの梯子を登れば――! 待って。私にも一緒にやらせて。 ……ふふっ。私の負けね。いいわ、私もその考えに乗ってみる。 ……。 この研究所について色々見てきたわ。赤い花のことや赤い花のこと。やっぱり私には……これが正解だって信じられない。私には……未来へ進む勇気がないの……。 ねぇ、本当にこれを切ってしまってもいいのかしら? 『有罪か無罪か』。最後の審判と言う訳ね。 早く開けてしまいましょう! シャッターが開いたわ! 『EPOINT』、直訳でよかったみたいね。 ポイントはPOINTよね? チップはTIPよね。とすると一握りは……。 ここまで諦めるわけにはいかないものね。 『No.1《開け、それを》ってあったわよね?』 『No.3《電子ポイント》……何を意味してるのかしら?』 おそらく、全てはそのシリンダーと挿し込み口に繋がっているはずよ。 これは、6本の……シリンダーとでも言うのかしら? 外蓋にあった絵、あれと関係がありそうじゃない? 解除するにはどうすればいいのかしら? 仕切りがあるでしょ? あれを踏まえて考えないと。 4番の矢印……これだけちょっと特殊みたいね。 入射角と反射角は同じになるはずよ。その辺りから考えれば……。 そこをひねって考える必要がありそうね。 チップサービスのチップ……かしらね。 落ち着いて若留ちゃん。よく調べてみましょ。 外蓋を閉めてみたわよ。 その前向きさ、見習いたいものね。 スイッチがあるわ。OPEN……何かを開けられるのかしら? おそらく順番ね。壁に当たったら反射してみたらどうかしら? 何が手掛かりになるかわからないわ。気になるところは全て調べましょう。 矢印が伸びてる……それに暗号? おそらくだけど、扉のロックの一つ目に対しての暗号ね。 書いてあるのは3ね。他にも2つあるわ。 とはいえ、そんなもの都合よくは持ち合わせていないわ。 閉ざされた扉の仕掛け……これが最後にしてもらいたいわ。 気持ちは解るけど、悪態をついている暇はないわ。 とはいえ、この熱気と煙の中に居続けたら数分と持たないわ……! 赤い水に引火しているというの……!? 彦道君、文句を言っていても仕方がないわ。 底に描かれたこの絵……色同士の繋がりを示しているのかしら? 左のピースの左上は赤色、右のピースの右下は黄色は確実よね。 つまりは斜め同士で色が同じ場合、そこが繋がっているという解釈ね。 ピースを回転させる必要があるのかしら? もう何も入っていないわ。 これでピースを入手できるわね。 この絵はいったい……色同士が繋がってる……? レポートにある迷路の解き方を、操作盤に入力してみましょう。 Sはスタート、Gはゴールでしょうね。 スイッチはさっき押したから何も起こらないわよ? どうやら中央の培養槽へ中身を移す装置だったようね。 これはスイッチ……かしらね。 これは回転できないようね。 黄色のピースを挿し込めたわね。 さっき入手したピースを挿し込めないかしら? レポートにあった緊急操作の内容を確認してみましょう。 でも、8手順って言ってるからにはこれは操作方法なのよ、きっと。 いえ、ちょっと待って。ここに面白いことが書いてあるわ。 この鍵がちょうど合いそうね。 DUDR、と書いてあるわね。 もしかしたらもっとシンプルに考えてもいいのかもしれないわよ? 閉ざされた扉に付いてたピースによく似てるみたいだけど……。 さっき手に入れた2枚のプレート、よくみたら繋がってないかしら? なにかしら? 文字に見えなくもないけど……。 これは……? この悪魔が持っていた槍を、フックに掛けたらどうかしらね? 向こうの部屋に取り付けに行きましょうか。 ロックが解除できたみたいね。 ちょっと待って。確かロックは4桁の番号だったはずよ? 都合がいいし、詰まった状態のまま放っておきましょう。 『×』に見えるわ。上下の指の数と関係があるとすれば……。 これは大きな手掛かりなんじゃないかしら? いや、ちょっと待って若留ちゃん。よく見てみましょう? まぁ彦道君の言うことも一理あるわね。 真ん中で分断された縦線……なにか意味があるのかしら? 『恐れるな、やってみろ』ね。懐かしいわ。 シュレッダーってこういう風になっているものなの? このガラスじゃ、割ることもできなさそうね。 解除番号を探ってみましょう? ふふっ、相変わらず確率計算には強いのね 適当に押して開くのかしら……? 危ないから指を突っ込まないようにしましょう。 どうやら『3』本、指を立てた絵のようね。 詳しく調べてみましょう、ってところかしら。 あ、あなた達、やけに詳しいのね。 調べてみる価値はあるんじゃないかしら? 向こうの部屋の閉ざされた扉についていたものに似ているわ。 あとは押す順番によって、動作が変わるという操作盤なのかしら? ということは、これをどうやって入手するか、よね。 でも、きっと悪い子じゃないと思うわ。私の勘、だけどね。 ……いえ、わからないわ。私がここに来た時にはもう割れていたから。 捨ててきたって……水底かしら? でも、それだと研究員も逃げ出せないわ。 あそこにあるのは……鍵? 赤い水が溜まっているわ。触れるのはやめといたほうがよさそうね。 赤い水底の鍵、どうにかして取れないものかしら? なにか見落としているものはないかしらね? ええ、何も変化はないわ。 一度、ここから離れて別の場所で手掛かりを見つけてきましょう。 でも他のピースは外せないわ。 ねぇ、扉に付いている、これはいったい何かしら? おそらくだけど、非常用の出口だったんだと思うわ。 彦道君でそれじゃ、私達では持てそうにないわね。 ええ、悪魔の彫像ね。 赤い花が茂っているわ。……私はもうこんなものに頼らない。 銀色のプレートに見えるけど……。 脇に溜まっている赤い水が、この赤い花の温床だからよ。 この部屋の扉をどうにかして開けるのが一番現実的ね。 若留ちゃん……。 そんな……。 大丈夫。さっきの部屋の奥にももう一つ、出口があるの。 ……ふぅ。私も、少しずつだけど……前を向けるようにがんばってみるわ。だから、若留ちゃん。もう泣かないで、ね? 本当に、おもしろい子ね……。私の居場所、か。 ……泣いているの? あなたになにがわかるっていうのよ! あなた、頭が良いのね……なんだか醒めちゃった。 …………。 ええ。そうよ? 冗談よ。本気にしちゃって、昔から変わらないわね。 アザって……これのこと? ふふっ。服の下はもっとすごいわよ。――見てみる? うふふ……みんな、彦道君がお友達を連れて遊びに来てくれたわよ。歓迎しなくちゃね。 あら、いらっしゃい。 うっ……? ッ……! 誰かいるの!? なっ……! きゃっ。 いいえ。別にいいのよ。ケガをしたわけでもないし。 うん? あら、ふふ……。それじゃあ。 それ、気に入った? ふふふ。 やっぱり、可愛いわね。話に聞いていた通り……。 …………どうやら、行ったみたいね、あの子たち。あなたの言うとおりだったわ。ホームルームが終わって、すぐに来た。あなたも早めにここへ来て、正解だったわね。あの子、本当に可愛らしいわ。食べてしまいたいくらい……。 ふふ。 本当に、わかりやすい子――。 あらぁ? こんなところになにか用かしら。――若留ちゃん。 ふふふ……。 さぁて、なんででしょうねぇ。くすっ。 ふふ。そうねえ、自分だけ名乗らないのは、失礼よねぇ。私の名前は、紫ノ宮葵。紫の宮と書いて、紫ノ宮。この学園の、三年生よ。 あらあら。本当に、可愛い子……。 あら。彦道君、いらっしゃい。今日も来たのね。 ふふふ。 ふふっ。おっかない目をしてるわね、若留ちゃん。 やきもちなんて、可愛い。それじゃあ、そんな若留ちゃんにもう少しだけ、プレゼント――。 ん……耳くらい、いいでしょ? ふふ。 あら、そんなこと言っていいの? 私、本気でもらっちゃうわよぉ?